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東京地方裁判所 昭和54年(特わ)327号 判決 1979年4月23日

被告人

(一)本店所在地

東京都中央区銀座二丁目八番二号

富士見産業株式会社

(右代表者代表取締役 前田俊昭)

(二)本籍

東京都町田市鶴間一、三一八番地

住居

神奈川県厚木市温水二八番地の一二

会社役員

前田俊昭

昭和一三年九月二四日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官乙部二郎出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告会社富士見産業株式会社を罰金一、八〇〇万円に、

被告人前田俊昭を懲役一年にそれぞれ処する。

被告人前田俊昭に対し、この裁判確定の日から三年間、右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社富士見産業株式会社は、東京都中央区銀座二丁目八番二号(昭和五一年一一月一九日以前は神奈川県大和市南林間二丁目一〇番二号)に本店を置き、工場の清掃、半導体の組立等を目的とする資本金一、〇〇〇万円(同五二年一月一〇日以前は四〇〇万円、同五一年二月一三日以前は一〇〇万円)の株式会社であり、被告人前田俊昭は、被告会社の代表取締役として同社の業務全般を統括しているものであるが、被告人前田は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空の賃金・外注加工費等を計上するなどの方法により所得を秘匿したうえ、

第一  昭和五〇年四月一日から同五一年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が七五、三〇六、九八一円(別紙(一)修正損益計算書参照)あつたにもかかわらず、同五一年五月三一日、神奈川県厚木市水引一丁目一〇番七号所在の所轄厚木税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四、五八八、八四一円でこれに対する法人税額が一、二二四、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額二九、一八六、〇〇〇円(別紙(四)税額計算書参照)と右申告税額との差額二七、九六一、四〇〇円を免れ

第二  昭和五一年四月一日から同五二年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が七六、八九二、四五一円(別紙(二)修正損益計算書参照)あつたにもかかわらず、同五二年五月三一日、東京都中央区新富二丁目六番一号所在の所轄京橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一一、三七三、三〇〇円でこれに対する法人税額が三、四四一、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額二九、六〇六、七〇〇円(別紙(四)税額計算書参照)と右申告税額との差額二六、一六五、七〇〇円を免れ

第三  昭和五二年四月一日から同五三年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が五五、六六四、一六五円(別紙(三)修正損益計算書参照)あつたにもかかわらず、同五三年五月三一日、前記京橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が九、六三〇、六〇五円でこれに対する法人税額が三、〇四九、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額二一、二三五、六〇〇円(別紙(五)税額計算書参照)と右申告税額との差額一八、一八六、一〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)(甲番号は検察官証拠請求番号を示す)

判示冒頭の事実及び全般にわたり

一、被告人の当公廷における供述

一、被告人の検察官に対する各供述調書(三通)

一、東京法務局登記官作成の被告会社登記簿謄本(甲1)

一、佐藤勝実の検察官に対する供述調書(甲21)

一、高倉清已の検察官に対する各供述調書(甲22、23)

判事第一、第二、第三の各事実添付の別紙(一)、(二)の(三)の修正損益計算書に掲げる各勘定科目別当期増減金額欄記載の数額につき

<材料仕入高(昭和五一年三月期、昭和五二年三月期のみ)・主要材料仕入高(昭和五三年三月期のみ)・部品材料仕入高(昭和五三年三月期のみ)>

一、収税官吏下田一夫作成の架空製造原価調査書(甲2)

<材料棚卸高(昭和五三年三月期のみ)>

一、高倉清已の検察官に対する昭和五四年二月一四日付供述調書(甲23)

<旅費交通費(昭和五三年三月期のみ)>

一、収税官吏下田一夫作成の経費調査書(甲5)

一、収税官吏坂口昭憲作成の旅費交通費調査書(甲10)

<寄附金・寄附金損金不算入額(昭和五一年三月期のみ)>

一、収税官下田一夫作成の寄付金調査書(甲11)

一、同じく寄付金損金不算入額調査書(甲12)

<接待交際費・交際費損金不算入額>

一、収税官吏下田一夫作成の賃金調査書(甲3)

一、同じく接待交際費調査書(甲13)

一、同じく交際費損金不算入額調査書(甲14)

<管理諸費・支払手数料(昭和五三年三月期のみ)>

一、収税官吏下田一夫作成の経費調査書(甲5)

<受取利息>

一、収税官吏坂口昭憲作成の定期預金及び受取利息調査書(甲15)

<雑収入・現金認容・借入金認容(昭和五三年三月期のみ)>

一、収税官吏下田一夫作成の経費調査書(甲5)

一、同じく賞与調査書(甲4)

一、押収してある被告会社昭和五三年三月期法人税確定申告書一袋(前同押号符3)

一、収税官吏の大友直に対する質問てん末書(甲16)

<賞与引当金繰入超過額(昭和五三年三月期のみ)>

一、収税官吏下田一夫作成の賞与引当金繰入超過額調査書(甲17)

一、押収してある被告会社昭和五三年三月期法人税確定申告書(前同押号符3)

一、押収してある被告会社の昭和五三年三月期法人税確定申告書一袋(当庁昭和五四年押第五〇一号符3)

<賃金>

一、収税官吏下田一夫作成の架空製造原価調査書(甲2)

一、同じく賃金調査書(甲3)

一、同じく賞与調査書(甲4)

<雑給(昭和五三年三月期のみ)>

一、収税官吏下田一夫作成の架空製造原価調査書(甲2)

一、同じく経費調査書(甲5)

<賞与>

一、収税官吏下田一夫作成の経費調査書(甲5)

一、同じく賞与調査書(甲4)

<外注加工費>

一、収税官吏下田一夫作成の架空製造原価調査書(甲2)

一、同じく各外注加工費調査書(甲6、甲7)

一、同じく経費調査書(甲5)

<運賃>

一、収税官吏下田一夫作成の架空製造原価調査書(甲2)

一、同じく経費調査書(甲5)

<修繕費(昭和五一年三月期、昭和五三年三月期のみ)>

一、収税官吏下田一夫作成の架空製造原価調査書(甲2)

一、同じく経費調査書(甲5)

<交通費(昭和五三年三月期のみ)>

一、収税官吏下田一夫作成の経費調査書(甲5)

一、収税官吏坂口昭憲作成の交通費調査書(甲8)

<給与手当(昭和五三年三月期のみ)>

一、収税官吏下田一夫作成の架空給与手当調査書(甲9)

<使途不明支出金(昭和五三年三月期のみ)

一、押収してある被告会社昭和五三年三月期法人税確定申告書一袋(前同押号附3)

一、収税官吏下田一夫作成の使途不明支出金調査書(甲26)

<未払金認容(昭和五三年三月期のみ)>

一、押収してある被告会社昭和五三年三月期法人税確定申告書一袋(前同押号符3)

一、収税官吏の大友直に対する質問てん末書(甲16)

<事業税認定損>

一、収税官吏下田一夫作成の事業税認定損調査書(甲18)

<土地譲渡原価(昭和五三年三月期のみ)>

一、収税官吏坂口昭憲作成の土地調査書(甲19)

別紙(一)、(二)、(三)修正損益計算書に掲げた公表金額及び過少申告の事実について

一、押収してある被告会社の昭和五一年三月期分、昭和五二年三月期分、昭和五三年三月期分各法人税確定申告書各一袋(当庁昭和五四年押第五〇一号符1、2、3)

一、収税官吏下田一夫作成の確定申告書の勘定科目調査書(甲20)

(法令の適用)

被告会社につき

いずれも法人税法一五九条(いずれも懲役刑選択)。刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(判示第一の罪の刑に加重)。同法二五条一項。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 松澤智)

別紙(一)

修正損益計算書

富士見産業株式会社

自 昭和50年4月1日

至 昭和51年3月31日

No.1

<省略>

修正損益計算書

富士見産業株式会社

自 昭和50年4月1日

至 昭和50年3月31日

No.2

<省略>

別紙(二)

修正損益計算書

富士見産業株式会社

自 昭和51年4月1日

至 昭和52年3月31日

No.1

<省略>

修正損益計算書

富士見産業株式会社

自 昭和51年4月1日

至 昭和52年3月31日

No.2

<省略>

別紙(三)

修正損益計算書

富士見産業株式会社

自 昭和52年4月1日

至 昭和53年3月31日

No.1

<省略>

修正損益計算書

富士見産業株式会社

自 昭和52年4月1日

至 昭和53年3月31日

<省略>

別紙(四)

ほ脱税額計算書

富士見産業株式会社

自 昭和50年4月1日

至 昭和51年3月31日

<省略>

ほ脱税額計算書

自 昭和51年4月1日

至 昭和52年3月31日

<省略>

別紙(五)

ほ脱税額計算書

富士見産業株式会社

自 昭和52年4月1日

至 昭和53年3月31日

<省略>

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